考えた・コト

古都、奈良に暮らして半世紀足らず、奈良の魅力をあらためて考えると、他にはない日本の黎明期の歴史を体感できることだと思います。「歴史を体感できる」という謳い文句は、あちこちで見られますが、奈良の体感は、ちょっとステージが違う。後世の人による再現でなく、1300年以上も前の時代を生きた人々が見たであろう景色や空気感がそこに在ることがスゴイ。その地で、今の日本国家の原型が出来、アイデンティティの元が造られたことがスゴイのです。でも想像力がなければタダの田舎景色に見えてしまうかもしれません。
想像力を助けるのは、その時代の物語です。だから、珠玉の奈良を案内しながら、その地を彩る物語をいたしましょう。それはただの伝説ではなく、今の日本人のアイデンティティの源となる物語であることをお忘れなく。その物語を胸に、あなたの想像の翼を自由に広げながら、奈良を旅すれば、きっと自分だけの発見がある素晴らしいものとなることでしょう。